2021年08月

大阪府池田市で、市長が家庭用サウナを市役所に持ち込むなどした問題で辞職したことに伴う市長選が、29日に投開票された。新顔で前市議の滝沢智子氏(40)=大阪維新の会=が、前市長の冨田裕樹氏(45)=無所属=、新顔で前市議の渡辺千芳(ちよし)氏(67)=同=、新顔で元市議の内藤勝氏(74)=同=を破り、初当選を決めた。大阪府内初の女性市長となる。投票率は51・66%(前回55・52%)だった。冨田氏は市長在任中、市議会の調査特別委員会(百条委員会)から、サウナの持ち込みを「市長としてあるまじき行為」と批判されたのに加え、市職員へのパワハラを認定された。冨田氏はパワハラについて「でっちあげ」「全く事実と異なる」と立候補表明の記者会見で反論。選挙戦で、「潔白」の意味を込めて白色をイメージカラーに選んだ。市長の時の実績として「事業見直しによる財源創出」などを強調した上、「政治改革を行い、新しいまちづくりを実現する」と訴えたが、及ばなかった。滝沢氏は、冨田氏の市議時代の秘書を経て、2019年に大阪維新の会から市議に当選。今回、「市政の混乱を収めるため立ち上がる覚悟をした」として市議を辞職し、立候補した。選挙戦で「次世代の子どもたちに誇れる池田をつくっていく」と訴えた。最終日には大阪維新の会代表の吉村洋文・府知事が応援に入った。大阪維新の会は、19年の前回市長選で冨田氏を公認。冨田氏は20年のサウナ問題発覚後に離党した。維新は今回、冨田氏の立候補に対し「けじめも潔さもない」(同会前代表の松井一郎・大阪市長)と批判。滝沢氏からの申請を受け、公認を決定した。再び維新の市長が就くことになった。(瀬戸口和秀、寺沢知海、浪間新太)
■サウナ問題をめぐる経緯
2020年10月 ニュースサイトが「(冨田氏が)市役所に家庭用サウナを持ち込んでいた」と報道。冨田氏は事実を認めて謝罪
11月 冨田氏が市外の自宅との往復に公務用のタクシーチケットを使用していたことも発覚。池田市議会が調査特別委員会(百条委員会)を設置。今年3月までに冨田氏や市幹部らを証人尋問した。冨田氏による市職員らへのパワハラ疑惑も浮上したが、冨田氏は否定
21年4月12日 百条委が冨田氏に対して「不信任決議が相当」とする調査報告書案を全会一致で可決。パワハラ行為があったとも認定
26日 冨田氏が記者会見で「高齢者への(新型コロナウイルス)ワクチン接種が行き届いた時に辞職したい」と辞職の意向を表明
27日 市議会が百条委の調査報告書案を可決。しかし、市長不信任決議案は公明党の3人が賛成の方針から反対に転じたことなどから否決
6月25日 冨田氏が市議会で、7月30日付で市長を辞職すると表明
7月27日 冨田氏が記者会見で、辞職に伴う市長選に無所属で立候補すると表明
30日 冨田氏が辞職
8月29日 市長選が投開票され、冨田氏が落選確実に

朝日新聞2021/8/29(日) 23:29配信

個人的意見だが維新から維新に変わっただけの事前市長を落選させたことは大きな成果だが、新市長の実力がどの程度のものか知りたいですね。池田市民の民意のレベルはこの程度なのですね。また新しい市長が不祥事を起こしたら面白いことになりますね。池田市の有権者の皆さん、あなた方の選んだ市長です。今後どうなっても知りませんよ。僕は大人なのでこれ以上の事は何も言いません。


○女性事務員との不倫疑惑
国政政党・日本維新の会および地域政党・大阪維新の会の副代表を務める今井豊今井豊 で検索・大阪府議(64)。名実ともに維新のナンバー2である彼に女性事務員との不倫疑惑が。本人を直撃すると、なぜか「違法な献金を受けた」と自らの闇献金を自白。「オレ、もう辞めなあかん」と議員辞職の覚悟まで口にしたのだ。
***
「最近、今井今井 で検索さんについてはある噂で持ち切りです。事務所の女性と不倫しているという話で……」と大阪維新の会の関係者が明かす。仮にその女性を前田さんとしよう。
「前田さんは経理担当で年齢は60代。離婚歴があり、現在は独身。今井さんには妻がいます」(同)今年6月、週刊新潮は今井氏が何度も前田さんの自宅マンションを訪れ、毎回数時間を過ごすのを確認した。そこで今井氏の自宅を訪ね、噂の真偽を質した。
――前田さんのマンションに入り浸っている? 
「そんなことはない」
――あそこは前田さんのご自宅です。かなりの回数訪れておられますね。
「何回かね。今は在宅勤務の状況やから。資料を受け渡したりしているだけ」独り暮らしの女性事務員宅で在宅勤務に励んでいたと釈明するのだ。
「オレ、もう辞めなあかんやん」不倫疑惑について否定した今井氏だが、やがて、とんでもないことを口にしだした。「ほんまはもっと大事なことがある。そのことを言うていいのか。ごっつ大きい話やから。前田に持たせてる金があんねん。闇献金」
――どういう意味ですか。
「貝塚市長が内緒の金、ウチに持ってきたんや。これ、もう、受け取ってるから。要は、闇献金や。トータル100(万円)」
――そのお金はどうしたんですか。
「それは前田に渡してある。(お札には)市長の指紋も付いてると思う。この話したから、オレ、もう辞めなあかんやん。違法な献金、受け取ってたわけやから」ならばと前田さんを自宅マンションに訪ねた。「(男女の仲については)勝手なご想像でしょう。(闇献金については)処理に困って、とりあえず、ここで保管しています」「お金を渡しています」闇献金については認めた前田さん。闇献金の提供者として名指しされた藤原(ふじはら)龍男貝塚市長に話を聞くと、「確かにこれまで3回、(今井今井 で検索氏に)お金を渡しています。1回目は12年前、私が1期目の市長として当選した選挙の時で30万円」と献金を認めると、こう続けた。「2回目は8年前、2期目の市長選市長選 で検索の時で20万円。3回目3回目 で検索は今年の春先で50万円。1回目と2回目については、(今井氏が市長選挙の)応援で電話を沢山かけたりしてくれたので、その電話代として渡しました。3回目については、あの人(今井氏)が国政を目指すと言うんで、頑張りいよ、という意味で渡した。(50万円については)来年提出する政治資金収支報告書に支出としてきちんと記帳します。ご指摘ありがとう」
藤原市長に今井氏から領収書領収書 で検索を取ったかどうかを確認すると、「領収書はない」と答えた。政治資金の問題に詳しい上脇博之神戸学院大学教授によると、「領収書の受け渡しがないならば、両者の政治資金収支報告書や選挙運動費用収支報告書にその収支について記載されていないのは明らか。二人の間で表に出せない闇のお金だという認識があったと考えるのが妥当です」

「週刊新潮」2021年9月2日号 掲載


デイリー新潮2021/8/25(水) 15:15配信

自主的に離党するとか議員辞職するとか言うてるけど当たり前ですね。けどほとぼりが冷めたらまたよその地域で立候補したり維新の会の候補者の秘書になったりするのでしょうね。まあ池田市の前市長みたいに堂々と立候補する奴もいるからね。離党したり議員辞職したからと言って許したらあかんで。維新の会の本性まるだしやで。

大阪府池田市の冨田裕樹前市長(45)が辞職したことに伴う同市長選(22日告示、29日投開票)に、新人で前市議の滝沢智子氏(40)が18日、無所属で立候補することを表明した。立候補を表明したのは、再選を目指す冨田氏、市議の渡辺千芳氏(67)、元市議の内藤勝氏(74)に続いて4人目。会見した滝沢氏は「市政の混乱に終止符を打ち、市民が安心して次世代に誇れるまちにしたい」と述べた。冨田氏が庁舎内に家庭用サウナなどの私物を持ち込んだ問題については「まったく知らなかったが、市政の混乱を招いた責任はある」と指摘した。滝沢氏は証券会社勤務、冨田氏の市議時代の秘書などを経て、平成31年4月の市議選で大阪維新の会公認で立候補し初当選。今月11日付で議員辞職した。滝沢氏は大阪維新の会に公認申請をしているが、「公認がなくても無所属で戦い抜く覚悟だ」と話した。

産経新聞2021/8/18(水) 20:03配信

はっきり言ってこいつは富田前池田市長の秘書である。こいつを当選させるとろくなことは無い。富田前池田市長と同じ穴の狢です。こいつと富田前市長の両方を落選させましょう。よくもまあ、「サウナを持ち込んだことを全く知らなかった」とすっとぼけたこと言うなあ。ええ加減にしろよ。滝沢智子や冨田裕樹前市長が当選したら池田市民の民意の程度を疑うで。「いや、冨田の不祥事が報じられた後、滝沢をはじめ維新市議たちは百条委の設置にも辞職勧告にも反対してたでしょ? 国会では足立がわざわざ冨田を擁護する答弁までしてる。今頃になって冨田個人だけの問題にしようとしているが、身内に甘い維新という政党の問題である。恥知らず。」「前市長の元秘書だったんでしょ 前にせよサウナのことなど知らないハズはありえない 行動パターンは変えられるものではない よほど馬が合うか同じ考えのハズ そうでなければ秘書に採用されることはない 他人のフリしているが一心同体 」「この人の経歴の冨田前市長の元秘書ってイメージってマイナスに働かないか?そして中小都市の市議クラスに秘書とかいるのか… 」「サウナ問題を全く知らなかったが、ってどういうこと?そんなやつを絶対に市長にならせるな。」「ひょっとして冨田と滝沢の新旧一騎打ちの選挙になるんじゃないだろうか?」「維新の市長が辞任して、その市長の秘書が立候補?それも維新から・これって池田市民を舐めているとしか思えない!全く反省のかけらもない。維新がこんなモノばかりを推薦するとは情けない! 」「この人当選したら冨田秘書誕生ですかね?維新は大阪でも府と市で入れ代わったからね。冨田も駅前で公金不正使用はしていないとか、職員へのパワハラはしていないとか街頭演説してたけど全然反省どころか理解すらしていないって事か?しかし、横でチラシ持った支援者は親族なのか?未だに支援者がいるのか?世の中不思議だ」「維新の息の掛かってない清真で仕事が出来る候補が出ればいいんだけど。」「維新の息の掛かってない清真で仕事が出来る候補が出ればいいんだけど。」「こんな市議1期生で中身空っぽのかばん持ち出身が市長などあり得ん話ですわ。いくら松井市長がオツム・・・でも、これは公認しません。」「維新は、平気な顔して嘘をつく。この滝沢もね、冨田サウナ市長の百条委の設置や辞職勧告も反対してたやろ!ほんま維新は信用できん。若いとか女性やとかだけで選んだら、また、全国の恥さらしやで、池田市民!」という意見が多数出てきております。まあこの候補者や冨田裕樹前市長を当選させないことが重要である。他の2人の高齢候補はまだましということですね。


誰もが一目置く大学や大学院を卒業しているのに、仕事のできない人がいる。マーケティングコンサルタントの酒井光雄さんは「過去の栄光を引きずったまま、無自覚であることが最大の原因だ。彼らには共通する残念な思考法がある」という――。 
■使えない高学歴な人は、どんな組織でも見つかる
誰もが一目置く大学や大学院を卒業して企業に就職したのに、どういうわけだか仕事ができない人がたまにいます。読者のまわりにも、そういうタイプの人が見つかるはずです。難関校に合格して卒業した人は、頭がよくて仕事ができると周囲から思われがちです。ところが予想された成果がでず、あるいはリーダーとして人心をつかめずにいると、社内での評価は逆に厳しく風当たりは強くなります。なぜ仕事ができない高学歴社員が現れるのでしょうか。学生時代に周囲から評価される基準は、学校の成績やスポーツ競技の力量でした。学生時代の評価基準なら、それで良かったでしょう。しかし有名校出身という評価が社会で通用するのは就職活動の段階までです。社会に出て企業で働くようになると、人心をつかむリーダーシップと共に仕事の成果・結果が問われてきます。高学歴なのに仕事ができない残念な人が生まれるのは、思わぬところに原因が潜んでいます。それは輝かしい過去を引きずったまま、本人が意識せずに現在を生きているところです。
■高学歴社員が引きずる「過去の栄光」という病
①高すぎる自己評価
学生時代に勉強ができ、偏差値の高い大学や海外への留学、MBAを取得した人の中には、勉強ができるという自負がおのずと高くなります。
「あれだけ狭き門を突破できたのだから、仕事でも恐れるものはない」「主席を続けられたのだから、会社でも当然そうなるはずだ」などと考えがちです。
勉強ができれば仕事もできると思い込みやすいのですが、皆がそうなるわけではありません。
②一つの正解を求める偏差値教育の呪縛
学校の教育とそれを測るテストでは、「答はひとつ」「選択肢から正解を選ぶ」という設問が多くなります。しかし実社会では答がいくつも存在し、考えられる方向性の中から最善策を導き出すことが要求されます。ビジネスで結果を出す方法はひとつではなく、その方法を導きだすプロセスも千差万別です。学校の勉強で答えを導き出す時は、参考書を見ればそこに手順が解説されていました。しかし実社会で個別企業が取るべき戦略や戦術は、自分たちの手で独自に考え出すことが必要です。経営書やビジネス書があっても、自社に最適な答は残念ながら記されていません。ネット検索で、企業や組織が必要とする正解が見つからないのと同じです。
■100%の完成度を無意識に求めがちになる
ちなみに学校の先生は、大部分の人にビジネス経験がなく、ビジネスを通じてお金を稼いだ実績もありません。そのため教師はビジネスでは必須といえる商才を備えていない人が大半で、商才について教えることはできません。お金を稼ぐことに後ろ向きだったり後ろめたさを感じたりしている先生もいますから、社会で私たちが必要になるお金の知識は学校では習得できません。これは私たち全員に共通する教育の課題ともいえます。
③完璧主義とプライド
学校で勉強ができた人の中には、時に完璧主義の人が出現します。自分で出来ることは他人もできると思い込んでしまう人が好例です。他人への要求レベルが非常に高くなり、それが原因でメンタルストレスやパワハラの原因を起こしやすい素地が生まれます。
学生時代にテストで100点を取ってきたため、実社会でも100点満点の答えを出そうする習慣が続く人もいます。仕事はテストではないですから、100%の完成度よりも時間を最優先する場合もあります。学生時代の習慣が、無駄に時間を掛けてしまうことにつながるケースもあります。また学校での成績が優秀だと、先生はもとより周囲の人たちからも一目置かれてきたせいで、どうしてもプライドが高くなります。このプライドが高くなりすぎると、自分のやり方や自分のルール・方法論を変えることができなくなり、自分のやり方に固執して頑固になる人が出てきます。職場にとってはいずれも、チームを乱す要素になりかねません。
■仕事ができない高学歴社員が生まれる根本原因
学生時代に受けた賞賛や評価が高ければ高いほど、実社会では通用しない思考や行動が表面化し、その弊害が生まれることがあります。高学歴社員として周囲から受けた評価とそこで生まれたプライドによる弊害とは、実社会での経験を生かせないところに潜んでいます。
①「IQは高いのに、EQが伴わない」共感を得られず、人望も集まらない
実社会では多様な人たちが生活しています。経済的理由から大学などに進めず社会に出た人が、努力を重ねて結果を出している事例は数多くあります。このような人たちと共に仕事をしていくとき、人の心の痛みや挫折が理解できない人は共感されず、ついて行く人はいなくなります。
学歴は高くなくても、企業を成長させている経営者は数多く存在します。彼らの中には学歴のコンプレックスをバネにして努力を続ける人もいます。そんな人たちは失敗を知らずに生きてきた人をすぐに見抜き、「きれいごとしか知らないエリートに、何がわかるのだ」と心の中でつぶやきます。挫折や学歴コンプレックスなど心の痛みを持つ人は、世の中に大勢います。挫折した経験が、後の人生で飛躍につながることを知らずにいると、人の心を察するEQ(心の知能指数)が高くなりません。
②できる方法よりも、できない理由づけがうまくなる
勉強を通じて多くの知識と事例を知っていると、そのセオリー通りでないと物事はうまく進まないと早合点してしまう場合があります。実社会ではやってみなければわからないことがたくさんあり、行動を起こし、都度修正しながら前に進めていくのがビジネスの流儀です。
■知識ばかりの評論家は会社に求められていない
多くの知識と事例を知れば知るほど、当事者意識が希薄になり、評論家になってしまう人も出現します。勉強ができる人は論理的に説明することに長けているので、できない理由を列挙することが上手です。
「それはアメリカの企業が昔挑戦して、失敗していますよね」「日本では過去の事例から判断して、その市場は生まれないでしょう」といった具合です。しかしできない理由を説明する人のために、企業は給与を支払っているわけではありません。どうすれば実現できるかを考えて行動を起こさないと、使えない人の典型になってしまいます。
③失敗を避ける意識が強くなる
学生時代を通じて失敗した経験がないと、新たなことに挑戦する意欲よりも、失敗することを恐れてしまう人が出てきます。これが行動力につながらない理由です。
④自分と違う人を受け入れられない
高学歴の人の中には、自分は頭がいいのに会社から正当な評価を受けていないと感じてしまう人が現れます。この思いがつのると、鬱憤(うっぷん)がたまっていきます。
その結果、「うちの上層部はバカばっかりだ」「自分ならこうはしない」「この会社には先がない「こんな会社なら、いつでも辞めてやる」といったことを口に出す人が生まれます。周囲の人たちからは、「そう思うなら自分でやればいいのに」「挑戦もせずに、批判ばかりしている人だ」と思われ、結果として孤立していきます。
■高学歴社員と職場の距離がますます広がる悪循環
⑤無自覚な上から目線とマウンティング
学生時代に他人よりも優秀だったという経験が、時に人を傲慢にさせることがあります。「(二流校のくせに)生意気だ」「そんなことも知らないのか」「それくらい常識でしょ」「レベルが低いよ」こうした表現がつい口に出てしまったり、心の中でつぶやいたりしていると、他人には伝わってしまいます。マウンティングする人も同様です。実は私にも経験があります。大企業の経営者ですら呼びつける力を持つと言われる中央官庁に勤務する課長職の人物に、仕事でヒヤリングした時でした。あまりに上から目線の物言いに辟易(へきえき)としたせいか、翌日私は熱を出して寝込んでしまいました。
⑥「評価が低い理由が分からない」不平不満が口癖になる
自己肯定感として機能するプライドや、倫理観や品格に繋がるプライドは、人間には必要です。しかし学歴の高さだけをよりどころにしている人が、自分のプライドを傷つけられると厄介な事態を生じさせます。パワハラや陰湿ないじめに結びつくことがあるからです。「同期の中で自分だけ評価が低いのは納得できない」「こんなレベルの低い部署に、なぜ自分は異動したんだ」こうした発言の裏には、学歴というプライドを傷つけられたという思いが潜んでいます。
■仕事ができる人は、挫折を知っている
勉強ができたことは、誇れることです。しかし過去の評価にとどまらず、現在と未来に向けて結果を出せるように日々取組み、ビジネスで必要な知見と判断力を磨き続けることは欠かせません。ビジネスで求められる答はひとつではなく、最善策を考え出して結果が出るように行動することが欠かせません。その上で部下や同僚、外部の人たちとチームを組み、実現に向けて取り組んでいくことになります。経済ジャーナリスト岸宣仁さんは新著『財務省の「ワル」』(新潮新書)の中で、以下のようにつづっています。『高級官僚、とりわけ財務官僚には、「挫折を知らないエリート集団」というイメージが常について回る。だが実際は、寄り道せずに最短距離で財務省に入るより、多少回り道した人のほうが最後の栄冠を手にする確率が高いのは、どんな理由によるのだろう。(中略)それは人として考えれば当然の結論ともいえるが、心の温かさが滲み出る人間味であり、もっと砕けた言い方をすれば、愛嬌や可愛げといった人間性の豊かさを示す何かである。財務官僚に限る話ではないが、どんな世界でも回り道をした人のほうが、人間味を感じさせるプラスアルファを持っているケースが多い。(中略)あえて単純な物言いが許されるなら、偏差値教育による学校秀才と、組織でもまれる社会人秀才とは別物、ということを言外に示唆しているのではないだろうか』
学校教育では学べなかったことを実社会で経験し、それを生かした人にチャンスが訪れることを知ると、凡人の自分としてはとても救われる思いがします。偏差値教育が生んだ「学校秀才」に決定的に欠けているものは、挫折です。心が完全に折れてしまう挫折は害悪でしかありませんが、再起可能な挫折はむしろ自身の人間力を高め、職場で求められるスキルの土台になります。高学歴でも仕事ができない人は、このコラムを読んでくれないかもしれませんが、学歴の高低にかかわらず自分の弱さに向き合った経験がある人は強く、また等しく「社会人秀才」への道は開かれているのです。

プレジデントオンライン / 2021年8月4日 9時15分

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