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財務省は、24日に開かれる財政制度等審議会の分科会で、定員割れや赤字経営が続く私立大に対する補助金の減額や停止を提言する。少子高齢化で18歳人口が減少を続ける中、不要な補助金を減らし、私立大に経営改善を促す狙いがある。政府は、学生の負担軽減や教育研究の向上のため、私立大を経営する学校法人に私学助成金と呼ばれる補助金を交付している。補助金には学生や教職員数などに応じて機械的に配分する「一般補助」と、特色ある教育研究で改革に取り組む学校への「特別補助」があり、2018年度予算で計3154億円にのぼる。文部科学省によると、18歳人口はピークだった1992年の205万人から約90万人減少している。一方、私立大の数は6割、定員は4割、それぞれ増加した。16年度末時点で、国内の私立大570校のうち279校が定員割れとなり、そのうち6割の財務状況がマイナス収支に陥っている。財務省は、提言で「経営改善がない法人は、特別補助などの助成対象から除外すべきだ」と指摘する。
読売新聞 2018/10/23(火) 9:43

まあ当然でしょう。消費税を増税する前に無駄な補助金を減らすことが大切でしょう。

資格はもはや、「取る」より「作る」時代にきているといえるかもしれません。大手企業が自社の商品やサービスなどをテーマとした資格・検定を自前で作ってしまう例は、日本経済新聞社の「日経TEST」、明治の「チョコレート検定」、成田空港の「成田空港力検定」をはじめとして数多く見られます。また、主催者表記としては「○○検定実行委員会」などの名義となっていて直接的には名前が出ていなくても、「協力団体」などの名目で事実上大手企業の主導で立ち上げ・運営がなされている資格・検定もあまた存在します。近年はこうした大手企業ならずとも、もっと小規模な団体や個人の活動を母体として「○○協会」といった組織を立ち上げ、資格・検定制度を創設するという事例も増えてきています。
■新しいタイプの資格・検定が増えてきたのはなぜか
独自の資格・検定を作る動きのそもそもの発端は、2006年ごろに日本全国に爆発的に広まった、いわゆる「ご当地検定」ブームに由来するものと筆者は考えます。「東京シティガイド検定」や「京都・観光文化検定」をはじめとして、全国各地の自治体や商工会議所などが、県や地域の歴史や文化についての知識を問う検定事業を次々と立ち上げました。ご当地検定ブームに触発されてか、ちょうど同じくらいの時期に、従来型の資格・検定とは一線を画すような、趣味系・ユニーク系の検定が一気に増え始めたように認識しています。たとえば「世界遺産検定」「夜景鑑賞士検定」「お好み焼き検定」などです。こうした検定が増えてきた2010年ごろから、人々が「検定」というワードに対して抱くイメージも大きく変わりました。ここ10年ほどで爆発的にこうした新しいタイプの資格・検定が増えてきたのはなぜか。それは、「資格・検定制度の創設」がさまざまな複合的なメリットや利益を生む事業であるという事実に、多くの組織や団体が気づき始めたからではないかと筆者は考えます。結論からいうと、「受験料収入」×「プロモーション」×「人材育成」という一石三鳥のメリットです。
メリット1:受験料収入
まず挙げられるのは直接的な金銭的メリットで、「受験料収入」です。資格・検定試験の受験料の金額は、試験によって大きく幅がありますが、一般的な「試験会場で1時間程度のペーパーテストを実施」というタイプの試験であれば、5000円程度の金額設定が平均的です。仮に年間1万人の受験者数が見込まれるとしたら、単純計算で5000万円の収入(売り上げ)が立つことになります。ちょっといやらしい話にはなりますが、「資格試験の受験料」というものは、経済学的にいうと「需要の価格弾力性」が低い、すなわち、多少金額が高く設定されても受験者数が大きくは減らない性質をもつものだといえます。というよりむしろ、受験料が高いほど資格の権威が上がるという側面もある(逆に受験料が安すぎると資格自体が安っぽく見えてしまう)ため、数万円単位の受験料を設定しても受験者はある程度集まる構造になっています。さらに「級」を1~3級など複数区分設ければ、「受験者1人あたり単価」を上げることも可能ですし、ペーパー試験ではなく「資格認定講座の修了者に資格認定する」タイプの資格では、数十万円単位の受講料を設定しているものもザラにあります。また、試験の参考書や過去問題集を販売すれば、それも直接的な収入にもつながります。資格・検定制度の創設は、数千万~億単位のビジネスに育つ可能性が十分にありうる事業なのです。たとえば、公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センターは検定料収入だけで年間約3億6000万円、イタリア語検定協会は年間約2300万円売り上げています。
■エッジの効いたプロモーションが可能になる
メリット2:プロモーション効果
2つ目のメリットとして挙げられるのが「プロモーション」です。「こんなテーマの検定をやりますよ」というインパクトある企画としてリリースすることで、エッジの効いたプロモーションが可能になります。自社が扱う商品・サービスの宣伝や、自社の業界・活動自体を広く世間に知ってもらうための手段として効果が大きいわけです。興味深い例としてご紹介したいのが、「日本ビール検定」「くるまマイスター検定」です。日本ビール検定はサッポロビールが母体となって立ち上げられた検定ですが、満点合格者にはなんと「ビール1年分」が当たると打ち出すことで、さまざまなメディアで取り上げられました。同様に、記事冒頭で挙げた「チョコレート検定」では成績上位者に「ミルクチョコレート1年分」が贈呈されます。さらに驚きなのがくるまマイスター検定で、特設サイトから応募すると抽選でさまざまな車関連グッズが当たるというプレゼントキャンペーンを行っているのですが、その最高賞品がなんと本物の「車」です(2018年はスズキ クロスビー)。このような話題性のある企画はSNSでも大きく拡散されました。冷静に計算してみると「○○1年分」の賞品を用意するのにかかるコストは実はせいぜい数十万円程度にすぎないことがわかりますが、各種ニュースメディアに大々的に取り上げてもらえる宣伝効果と、魅力ある特典の提示により受験者数の増加が見込めることを考えると、むやみに広告を出すよりもよほど宣伝効果が期待できるうまいやり方だと思います。
メリット3:人材育成
3つ目のメリットが「人材育成」です。資格試験の本質的・本来的な意義が「ある分野の知識・技能を測る物差し」であり、それにチャレンジする過程で能力向上が図られるものである以上、資格・検定制度の創設は、その業界における人材の育成・スキルアップに直接的に結び付きます。「財務報告実務検定」はまさにそのようなコンセプトで立ち上げられた検定で、公式テキストのまえがきにも「簿記検定の内容は上場会社の経理実務とは乖離があり、連結決算・開示実務のスキル向上に役立つ教育手段がこれまでなかったので検定を創設した」といった旨が書かれています。すでにその業界で働いている人のスキル向上に寄与するのはもちろん、業界外の人や学生に対して、その業界のことを知ってもらうきっかけ・入り口としてもらえるという点でも、資格・検定という存在は有用です。さらに言えば、資格を通じてスキルアップした人材を業界内企業に対して人材紹介する仕組みまで構築できれば、さらなる価値創造や売り上げアップにもつながります。
■資格制度創設に向いている業界は?
とは言うものの、「あそこが検定やってるならうちでも」程度のなんとなくのノリでは、継続的な運営は難しいでしょう。わずか1~2回程度の実施で自然消滅してしまったご当地検定も少なからずありますが、長期的な見通しの甘さに主な要因があるように思います。新資格の立ち上げには明確なビジョンや戦略が必要ですが、資格制度創設に向いている業界として筆者が注目しているのは医療・福祉業界です。ここ数年で「スポーツ医学検定」や「心電図検定」「胎教アドバイザー」といった資格が誕生しています。もともと国家資格でガチガチの業界だったからこそ、提供するサービスに新しい付加価値をプラスする民間資格ができることによって、サービスの多様化や高度化が進む業界だと感じます。
鈴木 秀明:資格・勉強コンサルタント

東洋経済オンライン/2018年10月9日 8時0分


「ここ5~6年、裏社会の現場で大学生の姿を見る機会が増えてきている」
ノンフィクション作家の草下シンヤ氏がそう話す。『裏のハローワーク』など、裏社会に関する書籍を多く発表している草下氏は現在、「週刊ビックコミックスピリッツ」で連載中の漫画『ハスリンボーイ』(小学館)の原作を担当。 “ハスリン”とは非合法な商売で稼ぐことを意味する。作中では主人公である大学生のタモツが、奨学金返済のため違法な道具屋として池袋の裏社会で働く様子が描かれているが、フィクションとはいえ、実際に多くの取材に基づいているそうだ。いま大学生(若者)の間で裏稼業が流行しているとはどういうことなのか。草下氏に話を伺った。
◆Fラン大学生が将来を不安視、裏社会に希望を見出す
「大学生は裏稼業においてバレにくい(職質されにくい)という特権があり、裏社会の人間が利用しようとするんです」
一般的に大学生といえば、一人暮らしを始めたり、サークルや飲み会、旅行など遊びの機会が増えたりする。当然、お金が必要となってくる。そんなときに近寄ってくるのが裏社会の人間たちだ。とはいえ、大学生が普通のアルバイトではなく、裏稼業にまで手を出してしまう背景にはなにがあるのだろうか。
「裏社会にいる大学生はいわゆるFラン大学の人間が多い。真面目に就職したとしても年収300万、日本経済は縮小していくばかりで先が見えない。表の世界でやっていくことがバカバカしく思えてきてしまうようです。そのなかで一見派手に見える裏社会に魅せられ、道を外してしまうことが多いですね」
現在は大卒だからといって安定した未来は約束されていない。それならば一攫千金を狙って……ということらしい。一方で、大学生にとっては大金でも、裏社会にとっては端金。彼らにとっては使い勝手のいい労働力を安く購入している構図なのである。
◆入り口は繁華街のキャッチから…
では、実際に普通の大学生がどのようにして裏社会に流れていくのか。「数年前の一斉摘発で捕まったキャッチの半数が大学生だった」と草下氏。現在、都内をはじめ多くの?華街では路上での客引き行為が条例で禁止されている。上野の仲見世通りなど浄化された地域もあるが、迷惑な客引き行為が絶えない地域もいまだに見られる。そんなキャッチの仕事が大学生に人気のアルバイトとなっているらしい。とはいえ、それが裏社会への入り口となってしまうこともある。
「通りによって仕切っている組織が異なり、最終的にはケツモチである組織に金銭が流れることになる。路上に立つにも場所代を組織に2~3万円程度収める必要があり、やはり一般的なバイトと比べると、裏の人間と接する機会が多いです。またキャッチの間には “やっつけ”っていう言葉がある。ムカついた客がいれば、ぼったくりの店に連れて行っちゃう。そういう店との繋がりから、裏社会に足を踏み入れてしまう大学生が多いですね」
ほかの裏稼業と比べて、路上のキャッチは大学生にとってハードルが低い。なろうと思えば誰でもなれる。しかし、そこは繁華街。裏社会の人間も少なくないのだ。
◆クスリの売人やオレオレ詐欺に加担することも…
大学生はもちろん、若者たちが道を踏み外すパターンはそれだけではない。クスリの売人、オレオレ詐欺のグループなどに転身するケースまであるという。
「クスリ系の犯罪は、やはりクラブが入り口になることが多いです。マリファナの売人をやっている大学生もいる。そいつ自身がネタ好きで買うためにクラブに出入りしているうちに売人に目を付けられてしまうんです。『ネタが好きならお前も売ってみるか?』という感じでスカウトされる。あるいは、自分で吸うぶんだけマリファナの栽培をしていた大学生が、クラブで売人に尾行されて家を突きとめられ、脅しをかけられてそのまま手下にされてしまった例もありますね」
また、地元の悪い“先輩”から誘われてしまうこともある。たとえば、ハスリンボーイの舞台となっている池袋をはじめ、半グレ集団によるオレオレ詐欺事件の被害も深刻だ。今年1月~6月における「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺の被害額は174億9000万円にのぼる。草下氏は、これらの詐欺に加担していた若者のひとりをこう振り返る。
「建築現場の仕事で地方から東京に出てきた18歳の青年が、オレオレ詐欺の受け子(金を受け取る役目)で捕まってしまった。同じく上京していた地元の先輩に誘われて参加してしまったらしいんです。その先輩の男は詐欺グループにいたことがあり、そこでノウハウを盗んで独立したようですが……」
先輩が作った詐欺グループを仕切っている人間たちも20代前半の男たちだったという。捕まった青年は大学生ではなかったが、このような若者たちの犯罪集団は無数に存在しており、なかには大学生が参加していることもあるようだ。
◆中高生まで…犯罪の低年齢化を危惧
「昔はセパレートしていた表社会と裏社会が渾然一体となって交じり合いつつあり、いまでは犯罪や反社会勢力が近い存在となっています」
その結果として裏社会の現場に大学生が増えているわけでもあるが、さらに草下氏は犯罪の低年齢化を危惧する。
「いまは大学生にとどまっていますが、高校生、さらには小中学生が犯罪組織の一員となれば摘発は困難になる。海外マフィアでは小学生がクスリの運び屋として使われていますが、日本においてもそのような未来はそう遠くないところにきている気がします」
表社会に希望を見出せず、裏社会にすがる若者が増えていく。この状況が続けば、さらに混沌とした社会へと移り変わっていきそうだ。
【PROFILE】草下シンヤ/1978年、静岡県出身。豊富な人脈を活かした裏社会取材を得意とし、『実録ドラッグレポート』『裏のハローワーク』などの著作がある。現在「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて『ハスリンボーイ』(原作担当/漫画・本田優貴)を連載中

日刊SPA! / 2018年8月30日 15時55分


東京医科大学に息子を“裏口入学”させたとして文部科学省の前科学技術・学術政策局長・佐野太容疑者が受託収賄の疑いで逮捕された事件。前代未聞の事件だが、取材を進めるとその背景には医学部の裏口入学の知られざる実態があった。
証言続々…“裏口”仲介する予備校
 実は、私立大学医学部をめぐる状況は大きく変わっている。たとえば東京医科大学の場合、43年前に比べると偏差値は15ポイント上昇。この偏差値は、東京大学の理科系学部に匹敵し、競争率は“16.5倍”という難関だ。そうしたことから医学部への入学が困難となり、何年も浪人することとなるため一部で裏口入学の斡旋が起きるという。では、裏口入学の実態はどのようなものなのか?
近畿大学医学部教授の巽信二氏は自身も「裏口入学を持ち掛けられたことがある」と話す。
ーー裏口入学させてくれと言われたことはありますか?
あります。最近でもありますね。入っても苦労するよと。そういう親の過保護的な援助はやめたほうがいい。
裏口入学の依頼をしてくる人はいるが、近畿大学ではすべての依頼を断っているという。その上で巽教授は、「大阪にも東京にもあるんですけど、ある全寮制の予備校に一旦入って、成績が上がればいいですけど、上がらなくても預かった子供は1年間で何とか行先を探して、裏口入学で医大に入れてやるというのをやっていたのは知っています」と話す。また、杏林大学医学部名誉教授の佐藤喜宣氏も、他の大学のケースとした上で「今までも事件になったケースはあると思う。裏口入学を約束したけど、結局入学できなかったから金を返せ、とかそういう争いはあったと思いますけども。仲介に“誰か”入っている感じですよね。」と、巽教授と同様に裏口入学を持ち掛けてくる人たちが存在していることを明かした。ここで注目したいのは2人の教授が指摘する“裏口入学を仲介する予備校”の存在だ。元医学部予備校経営者の原田広幸氏はそうしたブローカーの存在を赤裸々に明かす。「裏口入学があることは、予備校の先生たちにとってほぼ常識だと思います。ブローカーとしか言いようがないのですが、大学の有力者と人脈があるという風に言っている人たちがいて、紹介料を取る形でビジネスをやっていると思います。」裏口入学ブローカーの存在。その実態とはどのようなものなのか?原口氏は裏口入学のブローカーが、医学部専門の予備校経営に関わっているケースもあると指摘する。「そういう予備校は1、2年単位でぱっと出てまた消えてを繰り返しています。冬になると新規学生を募集して新しい予備校ができたりするんです。そしてまた1、2年すると消えたりする予備校があるので、ブローカーが絡んでいるのかな、と」気になるのはその「手数料」だが、驚くほど高額なケースもあるという。「ある私立大学だとブローカーへの手数料が1億円は必要だと。ブローカーが半分とっても、大学側に半分、10%でも1000万円ですよね」
喉から手が出るほど欲しい“ブランディング”
しかし、今回の事件は単なる裏口入学ではない。文科省の官房長(当時)が自分の子供を医学部に合格させてもらう見返りに、文科省の支援事業の対象校とするよう取り計らったという受託収賄容疑だ。その支援事業とは、文科省が2016年から始めた「私立大学研究ブランディング事業」で、独自色を打ち出す研究に取り組む私立大学に補助金を出すというもの。東京医科大は、2016年度は落選したが、文科省の官房長(当時)に働きかけた2017年度には見事選ばれ、およそ3500万円の補助金を受けている。教育評論家の尾木直樹氏は、この「ブランディング事業」の指定を受けることが大学の経営にとって大きな意味を持つのだと指摘する。「大学にお金が入ってくるだけではなく、弾みがついて受験生の間で人気になってくる。これは間違いない。どこの大学でも、経営戦略として喉から手が出るほどこのブランディング事業指定は欲しいのです。そこに上手に文科省の前局長はつけこんで、自分の息子を入れてくれと。これはない。呆れてしまう」
意外…きっかけは私大医学部の学費の値下げ!?
 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏による、一旦は下火になっていた裏口入学が再燃したきっかけが実は意外なことにあったと指摘した。それは2008年に順天堂大学が医学部の学費を値下げしたことだったという。順天堂大学は6年間の学費を2970万円から2090万円に下げ、これによって優秀な学生が集まるようになり偏差値も62.5(2017年度)から70(2019年度予想)にアップした。ほかの私立大学もこれに追随し医学部の学費を値下げ。すると偏差値もアップしたのだった。
石渡氏は
「医学部はもともと経営が赤字になりやすい体質がありました。しかも偏差値が上がり、人気が高まることで、一般家庭の受験生も入学するようになってきています。そこに、医者の子弟よりも一般家庭からの方が、寄付金が集まりにくいという事情があります。全部の医大が裏口入学をしているというわけではないのですけども、医大によっては、同窓会のリストなどを作って、どれくらいの寄付金が集まるかというのを考えることになります。また、政府からの補助金が下がっている傾向があります。そのため競争的な補助金というものが増えているんですけれども、それを東京医科大学としては何が何でも受諾したかったというのも、今回の事件につながったとみています」
と、今回の事件の背景を語った。
寄付金一口1000万円の私大も?
 
石渡:医学部の寄付金というのは10万、20万円という単位ではないですね。数百万円、場合によっては一口1000万円という大学もあります。
佐々木恭子:私立ですから、独自にどういう学生がほしいかを決める自由は、大学にあるわけですよね。
有本香(ジャーナリスト):補助金が入っているので私立とはいえ入試は「公正」でなくてはいけないと思います。しかし公平さというのは、私立という側面があると思うので、この学校に入って6年間学費を払い続けることができるか、というバックボーンを大学側が一つの判断基準として持っていたとしても、そこに文句は言えない。
寺脇研(元文部官僚・京都造形芸術大学教授):大学とは憲法で定められた学問の自由で、自治ですからね。
パトリック・ハーラン:アメリカでは寄付で学校に行く人も多いんですよ。僕の通ったハーバード大学もそう。そのために寄付額を多く募ろうとするんですね。そのために「レガシー枠」というものがある。同窓会の子供がちょっと入りやすくなる。同じような点数の受験生の場合、両親がOBだったらその子息を通す。その代り寄付金をより多くもらう。それで私のような貧しい子供が入れるようになるんです。それがオープンにされているんです。裏口入学なんてレッテルはなく「レガシー」なんてちょっとかっこよい響きになっているんですね。
割に合わない「医学部裏口入学」
 
石渡:医学部・歯学部の裏口入学は、私はもっとも割に合わないものだと思っています。医学部に入ったから必ず医者になれる、というものではなく、あくまでも国家試験の受験資格が得られるだけなんですね。しかも合格率もまじめに6年間勉強し続けても、ざっと1割は合格できないという難関試験です。さらに各大学は見た目の国家試験の合格率を上げるために受かりそうもない学生については容赦なく留年させる。それがざっと1割います。ですから勉強ができないまま入学してしまうと留年、ないしは卒業はできるけど国家試験には受からないという状態が続く。そういった意味では裏口入学は、割に合わない話ではないかと思います。
佐々木:これから入試も2020年に改革が行われる中で、どうやって公平性・フェアさを保っていけばいいのか。
寺脇:そこが大問題です。大問題なのに文部科学省の高官が、自分で裏口入学をやっちゃってるなんていったらね、今文科省が進めている大学入試改革の信頼性まで失われる。これはきちんと裁いてもらって真相を究明してもらいたい。2020年にセンター試験が廃止され、大学入試改革が行われようとしている矢先の文科省幹部による不正。国民はもっと怒ってもよいのではないだろうか?
 (「報道プライムサンデー」7月22日放送分)
プライムニュース サンデー



横浜国立大(横浜市保土ケ谷区常盤台)は5日、法科大学院の2019年度以降の学生募集を停止する、と発表した。法科大学院への志願者、入学者とも減少して定員割れが続いており、同大は「改善を見込むのは困難」と判断。これにより、法科大学院を設置した県内4大学が、多様な経歴を持った法曹の養成を目指して始まった制度からすべて撤退することになる。同大は04年度に法科大学院を設置。もともと法学部を設けていなかったが、「地域連携型」の法科大学院を掲げ、神奈川県弁護士会の全面支援を受けながら、法学未修者に対する教育に重点を置いてきた。だが、志願者数は年々減少。初年度こそ定員50人に対して志願者は970人を数えたが、09年度(377人)に500人を切り、11年度(189人)に100人台、14年度(73人)から二桁台が続いていた。同大は定員を10年度に40人、15年度に25人と見直したが、13年度以降は入学者数が定員に届かない「定員割れ」が常態化。18年度の志願者数は33人、入学者数は9人で、いずれも過去最低を更新した。同大によると、これまでに169人が司法試験に合格した。現在は38人が在籍しており、教育課程を修了するまで法科大学院を存続させ、修了者に対しても支援を続けるという。5日に会見した法科大学院を統括する泉宏之教授は「期待に添うことができなくなったことは、誠に遺憾。深くおわびする」と謝罪。同大の長谷部勇一学長は「本当に残念」とし、志願者数減に歯止めが掛からなかった要因に、法科大学院を経ずとも司法試験の受験資格が得られる「予備試験」を挙げた。
最終更新:6/5(火) 23:27カナロコ by 神奈川新聞

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